ANTI-ISM しろくま理論

ジェンダーとセックスの視点から社会を見ると

杉田水脈議員の記事の何が間違っているのか(全文)

 杉田水脈の記事の何が悪いのかわからない、全部読んでも真っ当な意見としか思えない。なんかモヤモヤするけど何が原因かはわからない、そんな人に読んで欲しくて書きました。

左翼、右翼関係なく、読んで欲しいです。

 

長いけど

全文読み、間違いを徹底的に正します。

よーし、

 

 

杉田水脈の記事)

 LGBTへの支援の度が過ぎる>

 

 この1年間で「LGBT」(L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシャル、T=トランスジェンダー)がどれだけ報道されてきたのか。新聞検索で調べてみますと、朝日新聞が260件、読売新聞が159件、毎日新聞が300件、産経新聞が73件ありました(7月8日現在)。キーワード検索ですから、その全てがLGBTの詳しい報道ではないにしても、おおよその傾向が分かるではないでしょうか。 

 朝日新聞毎日新聞といったリベラルなメディアは「LGBT」の権利を認め、彼らを支援する動きを報道することが好きなようですが、違和感を覚えざるを得ません。発行部数から言ったら、朝日新聞の影響の大きさは否めないでしょう。

 

 LGBTへの行政の支援を批判する記事のつもりが、いきなり自分たち保守右翼とは対極のリベラルなメディア(自分の気に入らないメディア)の批判を始める。

 権利を認め、支援する動きそのものではなく、それをたくさん報道することに違和感を覚えるという謎発言。結局、彼女のこの記事の一番の目的は

 

LGBT」を取り上げる報道は、こうした傾向を助長させることにもなりかねません。朝日新聞が「LGBT」を報道する意味があるのでしょうか。むしろ冷静に批判してしかるべきではないかと思います。

 

という最後の方の文から分かるように、どうしても朝日新聞の批判がしたい、ということ。もしくは彼女の支持者に多い、右翼の一部が大嫌いな朝日新聞を批判することで、彼らを喜ばせることじゃない?

 

 最近の報道の背後にうかがわれるのは、彼ら彼女らの権利を守ることに加えて、LGBTへの差別をなくし、その生きづらさを解消してあげよう、そして多様な生き方を認めてあげようという考え方です。

 

 最高じゃん。

 

 しかし、LGBTだからと言って、実際そんなに差別されているものでしょうか。もし自分の男友達がゲイだったり、女友達がレズビアンだったりしても、私自身は気にせず付き合えます。職場でも仕事さえできれば問題ありません。多くの人にとっても同じではないでしょうか。

 

 国民全体があなたではないのに、私は気にせず付き合えます、とか無意味な発言、あなたがどうとか興味ない。気にせず付き合えない人もいるし、嫌悪感を示す人もたくさんいる。

 私には、嫌悪感を抱く人たちの気持ちや意味はわからないが、嫌悪感を抱く人たちの生きてきた環境や間違った文化を考えると、偏見は子供時代から蓄積されていき、当たり前になってしまってからは変えるのが難しいから(自分の偏見に気づき、変えようとすることが一番大事だけど)、安易に彼らを否定することはできない。 

 ただ、それを内に秘めている分には問題は表面化しないし、加害にもならないのに、平気で表立って差別発言をしたり、いじめたりする人は、この国にもいる。

 また傾向としては減ってきているが、自身がLGBT当事者であることを理由に、職場にいづらくなったり、昇進できなかったり、最悪の場合いちゃもんをつけてやめさせられることはまだたくさんある。職場全員あなただったらいいね。はは、

 

 そもそも日本には、同性愛の人たちに対して、「非国民だ!」という風潮はありません。一方で、キリスト教社会やイスラム教社会では、同性愛が禁止されてきたので、白い目で見られてきました。時には迫害され、命に関わるようなこともありました。それに比べて、日本の社会では歴史を紐解いても、そのような迫害の歴史はありませんでした。むしろ、寛容な社会だったことが窺えます。

 

 直接的な迫害がない=寛容な社会、ではない。

まず「寛容」とは「心が寛大で、人を受け入れられること」である。

LGBT当事者の自殺率、自殺未遂率や、メディアでのLGBTをバカにしたような表現、そしてそれに何も疑問を持たない人たち、杉田水脈のような議員がいる、どれを取っても、この社会が寛容でないことを証明している。カミングアウトした友達にアウティングされて自殺した青年がいる国のどこが寛容?

 

 そして大前提として、差別されている人、迫害されている人を、どの国の方が多い、少ないで計ることは無意味である。

 なぜなら差別や迫害されている人は一人たりとも、いてはいけないから。もちろん現実問題、全ての差別を無くすことは難しいが、多いからダメ、少ないから良い、だから日本は他の国より「マシ」ではなく、一人でも差別されている人がいるなら、目を逸らさずに、それを無くそうとすることに意味があり、それが社会のあるべき姿である。

 

 どうしても日本のマスメディアは、欧米がこうしているから日本も見習うべきだ、という論調が目立つのですが、欧米と日本とでは、そもそも社会構造が違うのです。

 

 このような「なんでも欧米の真似をしなければならないのか!」「日本には日本のやり方がある!」的な発言、Twitter上でもよく見るが、もし客観的に自分の国を見て、諸外国の方が日本より正しい道に進んでいるなら、見習うべきだし、そうじゃないなら見習わないというだけの話。

 ネトウヨの中には「欧米欧米と日本をそんなに貶したいか」「自分の国を誇れないのか」という意見が必ず上がるが、被害妄想にすぎない。

 

 そんなに自分の国が好きなら、もし自分の誇りに思っている国が、世界という広い視野で見たときに、間違っている方向に進んでいるなら、諸外国を見習い、それを正して、自国をよりよい国にしていくべきである。それもせずに「自分の好きな国が責められた!」「非国民だ」と騒ぐのは、思考停止、問題から目をそらしているだけで、日本をより恥ずかしい国にしていることと同じ。

 (多くのネトウヨの問題点は、自分の国と自分自身のアイデンティティが密接になりすぎていて、国の責められる=自分が責められる、と感じてしまっていることである。それは国を尊ぶこととはまた別。)

 

 LGBTの当事者たちの方から聞いた話によれば、生きづらさという観点でいえば、社会的な差別云々よりも、自分たちの親が理解してくれないことのほうがつらいと言います。親は自分たちの子供が、自分たちと同じように結婚して、やがて子供をもうけてくれると信じています。だから、子供が同性愛者だと分かると、すごいショックを受ける。

 これは制度を変えることで、どうにかなるものではありません。LGBTの両親が、彼ら彼女らの性的指向を受け入れてくれるかどうかこそが、生きづらさに関わっています。そこさえクリアできれば、LGBTの方々にとって、日本はかなり生きやすい社会ではないでしょうか。

 

 まず、制度が変わることで人々の意識は変わる。例えば同性同士の結婚が認められるということは、それに付随する様々な許可が生まれるだけではない。「自分たちの結婚が国に認められていること。」これは当事者にとって(結婚するつもりがある当事者にとっても、無い当事者にとっても)その国で暮らしていく上で、大きな安心感になり得る。

 また、当事者でない人にとっても、法的に存在が認められている(実際には結婚が認められているだけであっても)LGBTを差別するべきではないという共通認識が生まれるはずである。そしてその共通認識が時代を越える事によって「当たり前」になる。

 法律というのは「当たり前」を作るパワーを持っている。それは良い意味でも悪い意味でも、大きな力。

 

 リベラルなメディアは「生きづらさ」を社会制度のせいにして、その解消をうたいますが、そもそも世の中は生きづらく、理不尽なものです。それを自分の力で乗り越える力をつけさせることが教育の目的のはず。「生きづらさ」を行政が解決してあげることが悪いとは言いません。しかし、行政が動くということは税金を使うということです。

 

 「生きづらさはみんな感じるから、自力で乗り越えろ、そのための教育だ。」じゃないだろ。

一人一人の生きづらさを少しでも無くす方向に動けばいいのに、なぜみんなで我慢する方向に向くのか、理解ができない。

 もしその生きづらさが、社会制度の改善によって緩和されるなら、それをするのが社会、政治の役目です。この人、政治家やる気あんの?

 

 例えば、子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります。しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか。にもかかわらず、行政がLGBTに関する条例や要項を発表するたびにもてはやすマスコミがいるから、政治家が人気とり政策になると勘違いしてしまうのです。

 

 ついに来ました「生産性」

 まず前提として、生産性という言葉、子供を産むことができる=生産性がある、という表現が気持ちが悪いし、人間を表す言葉として不適切。

 ネット上で、「生産=子供を産む、というだけの意味で他に意味は無い、みんな過大解釈している」っていう意見を見たけど、子供を産まない=税金は投入できない、のだとしたら、LGBT以外の人にも当てはまってしまうし、逆に「生物的に産めるのに産めない、産まない異性愛者同士」と「どう足掻いても最初から産めない同性愛者同士」を区別して、この言葉をLGBTにだけ当てはめようとするなら、それは区別ではなく、もう立派な差別です。

 

 そして私的に、この人の、国の未来のための子供を産め、的な考え方が透けて見えて、倍で気持ちが悪い。(こういう政治家多くない?、女性は産む機械、必ず三人産むべき、産まない考えが幸せなんて勝手だ、など。) 

 

 もちろん子育て支援不妊治療に税金は使うべきだし、それは正しいが、少子化対策のみが、行政の仕事ではないはず。そりゃ子供が生まれなければ、国は崩壊するけど、子供を増やすことの他に、今を生きている人たちのためにも政治は存在している。

 例えば、少子化対策が成功して、たくさん子供が生まれたとしても、彼らがLGBT当事者かもしれない。でも産むだけ産んだけど、彼らは生産性がないから、そこから生きていくのには支援しない。それってどゆことって話。

 つまり、子供が産まれるということは、その子たちがその後、何十年もこの世界で生きていくってことなのに、彼女の発言は、その彼らの人生と、そこにあるべき支援には目を逸らして、人生を、子供を産むことだけでしか見られていない。

 それは今を生きている人にとっても、そして、これから生まれてくる子供達にとっても、かなり無責任な発言だよ。

 

 そして、少子化対策が危ぶまれるほど、LGBTへの支援が行われているとは思えない。あたかも人気取りのLGBT支援のせいで、他が疎かになっているような書き方。もしそうなってしまうのなら、それは行政の責任だし、LGBTのせいにされても…。って感じだし、他に削るとこあるだろ、単にお前がLGBTが嫌いなだけだろ、と思う。

 

 少子化対策LGBT支援もどっちもするべき。LGBT支援とは何かを考える必要はあるけど、どっちがとかじゃなくて、生産性とかいう言葉で言い訳しないで。

 

 

LGBとTを一緒にするな

 

 ここまで私もLGBTという表現を使ってきましたが、そもそもLGBTと一括りにすることが自体がおかしいと思っています。T(トランスジェンダー)は「性同一性障害」という障害なので、これは分けて考えるべきです。自分の脳が認識している性と、自分の体が一致しないというのは、つらいでしょう。性転換手術にも保険が利くようにしたり、いかに医療行為として充実させて行くのか、それは政治家としても考えていいことなのかもしれません。

 

 まず性同一性障害という名前から、障害であると勘違いされるけど、「障害ではない」

ちょっと前に、DSM(という欧米の様々な症状の図鑑みたいなやつ)でも「性別違和」という呼び方に変わりました。

 そしてトランスジェンダー=性別違和、では無い。トランスジェンダーの中に性別違和が含まれているだけで、トランスジェンダーだけど、性別違和じゃない人もいるってこと。間違ってるよ。

 そして「つらいでしょう。」「考えて『いいことなのかも』しれません。」という言い方。なにこれ。

完全にバカにしているし、上から目線だし、呆れる。少しは悪意を隠したら?(笑)

 もちろん支援は必要。

 

 一方、LGBは性的嗜好の話です。

 

 違います。性的指向です。わざとLGBを、フェチやSM、ロリなどの性的嗜好と混同させようとしてるのか、またはただの無知か。これについては勘違いが多いので、後で詳しく書きます。

 

 以前にも書いたことがありますが、私は中高一貫の女子校で、まわりに男性はいませんでした。女子校では、同級生や先輩といった女性が疑似恋愛の対象になります。ただ、それは一過性のもので、成長するにつれ、みんな男性と恋愛して、普通に結婚していきました。マスメディアが「多様性の時代だから、女性(男性)が女性(男性)を好きになっても当然」と報道することがいいことなのかどうか。普通に恋愛して結婚できる人まで、「これ(同性愛)でいいんだ」と、不幸な人を増やすことにつながりかねません。

 

 さっきもだけど、この人なんでこんなに自分語りするの、なんで自分のごくごく個人的体験でLGBT全体をはかれると思ってるの。主観しか存在しないのかこの人には。

 同性愛が思春期の一過性のものだった人もいるだろうし、そうじゃない人も当然いる。

 自分の物差しでしか物事を測れない人って、想像力なさすぎ。

 

 「マス・メディアが同性愛を肯定するから、同性愛者のような不幸な人を増やす。」

    …………。

 

やばいと思う。全部やばい。

 まず同性愛者を不幸にしているのは、お前のような差別主義者、気づいて。

 そして同性愛を肯定されると、同性愛者が増えるという謎発言。根拠がないし、もし増えたとしてそれの何が悪いのか。

 逆に、同性愛をマス・メディアやあなたのような人に否定されて、同性愛者が自分を偽りながら「普通に結婚していく」ことの方がよっぽど、いや最低なシナリオだよ。

 

 どれだけ自分が差別主義者で、ヘイトを撒き散らしていることに気がつかないのか、

 

 異性愛者でも同性愛者でも、「これでいいんだ」と無条件に自分を肯定しながら生きていけたら、最高じゃん。

 

 朝日新聞の記事で「高校生、1割が性的少数者」という記事がありました(3月17日付、大阪朝刊)。三重県男女共同参画センターが高校生1万人を調査したところ、LGBTは281人で、自分は男女いずれでもないと感じているXジェンダーが508人。Q(クエスチョニング=性的指向の定まっていない人)が214人いて、合わせて1003人の性的少数者がいたというものです。それこそ世の中やメディアがLGBTと騒ぐから、「男か女かわかりません」という高校生が出てくる。調査の対象は思春期の不安定な時期ですから、社会の枠組みへの抵抗もあるでしょう。

 

 もう黙りな。最後の文なんて彼女の妄想の聞かされているだけ。

 

 最近の報道でよく目にするのは、学校の制服問題です。例えば、「多様性、選べる制服」(3月25日づけ、大阪朝刊)。多様な性に対応するために、LGBT向けに自由に制服が選択できるというものです。女子向けのスラックスを採用している学校もあるようです。こうした試みも「自分が認識した性に合った制服を着るのはいいこと」として報道されています。では、トイレはどうなるのでしょうか。自分が認識した性に合ったトイレを使用することがいいことになるのでしょうか。 

 

 選べる制服やLGBTトイレが、実際にLGBT当事者「全員」にとっては、喜ばしいものではないだろうけど、もし一人でもそれを着て、使用して、救われる人がいるなら、それは意味のあること。

 LGBT全員が使えという訳ではなく、自由に選べる選択肢があるということ、それによって生きづらさを改善できることが大事。

 

 実際にオバマ政権下では2016年に、「公立学校においてトランスジェンダーの子供や児童が“心の性”に応じてトイレや更衣室を使えるようにする」という通達を出しました。先ほども触れたように、トランスジェンダーは障害ですが、保守的なアメリカでは大混乱になりました。

 トランプ政権になって、この通達は撤回されています。しかし、保守派とリベラル派の間で激しい論争が続いているようです。Tに適用されたら、LやGにも適用される可能性だってあります。自分の好きな性別のトイレに誰もが入れるようになったら、世の中は大混乱です。

  

 オバマ政権時の通達の是非は置いておいて、この人はさっきからなぜ、世の中が困るから、全部無しにしよう、って考え方なんだろう。世の中が困らず、当事者も生きやすい社会を模索することを放棄している。

 

 最近はLGBTに加えて、Qとか、I(インターセクシャル=性の未分化の人や両性具有の人)とか、P(パンセクシャル全性愛者、性別の認識なしに人を愛する人)とか、もうわけが分かりません。 

 

 わけが分からないのはあなたのキャパシティの問題でしょ。

 

 なぜ男と女、二つの性だけではいけないのでしょう。

 

 やっと本音を言ったなという感じ。

 

 彼女は、少子化対策のためとか、世の中が困るからとか、不幸でつらいからとか、わかったような口を聞いて、結局は「自分が」理解できないことを、理解しようともせず、ただ否定したいだけなんだよね。

 

 男と女、二つの性だけでは生きづらい人がいて、違和感がある人がいて、それでも生きることをやめず、自分のアイデンティティを探って、悩んで、そしてやっと辿り着いた答えを、「そんなの必要?」と言えてしまう神経。知識、感受性、想像力のなさ。そして鈍感さ。

 

 吐き気がする。

 

 

 オーストラリアやニュージーランド、ドイツ、デンマークなどでは、パスポートの性別欄を男性でも女性でもない「X」とすることができます。LGBT先進国のタイでは18種類の性別があると言いますし、SNSフェイスブックアメリカ版では58種類の性別が用意されています。もう冗談のようなことが本当に起きているのです。

 多様性を受けいれて、様々な性的指向も認めようということになると、同性婚の容認だけにとどまらず、例えば兄弟婚を認めろ、親子婚を認めろ、それどころか、ペット婚、機械と結婚させろという声が出てくるかもしれません。現実に海外では、そういう人たちが出てきています。どんどん例外を認めてあげようとなると、歯止めが効かなくなります。

  

 先程言ったことを、詳しく説明します。

 同性愛者の議論になると必ず出てくる、小児性愛、SMなども認めるっていうのか!という意見。

 

 的外れ。

 同じマイノリティであるというだけで、同じ議論の場に上げて考えるのは、本質を見ていない。

 

同性愛とその他の関係を示すと、

 

性的指向

     異性愛 ←→  同性愛、両性愛   

 

性的嗜好

小児性愛異性愛←→ 小児性愛(同性愛)

        SM(異性愛 ←→    SM(同性愛)

                             (マイノリティは青)

 

間違ってる人の頭の中は、

 <マジョリティ>  対 <マイノリティ>

   異性愛 ← → 同性愛、幼児性愛、SM

  (性的指向性的嗜好もごちゃ混ぜ)

 

 というような関係なので、同性愛を認めること=マイノリティ全てを認めなければならない、というわけではないし、同じ議論の場に乗せること自体、不可能ということ。

 

 もちろん性的指向性的嗜好も、どちらも自由は尊重されるべきだし、不用意に断罪されてはならない。ただ、小児性愛やSMなどの自由を社会にわかってほしいなら、同性愛と異性愛の議論とは別問題なので、自分たちの作った議論の場で、やってほしい。同性愛と異性愛についての議論に便乗することは不可能。

 まあこういうこと言う人はだいたい外野で、小児性愛やSMの権利を主張したいのではなく、自分の嫌いなものを、他のものと一緒に排除したいだけだろうけど。

 

 そしてこの関係は杉田のいう婚姻の話にも通じる。性的指向の結婚の話(同性婚)と性的嗜好の結婚の話(近親婚、ペット婚など)は、マイノリティ同士だから同じ議論(で根こそぎ排除しよう)、というように簡単ではない。

 

 加えて、結婚の前提として、二人が「相互の意志を持っていて、同等の力関係にあること」が必要であり、近親婚や未成年との結婚、ペット婚や機械婚はこの条件を満たしていない。

 

 近親婚やペット婚を主張する人が、どのような言葉で自分たちの結婚の正当性を証明するかは分からないが、その時は真剣に議論される権利が彼らにはあると私は思う。

 だが「同性愛が許されるなら、近親婚もペット婚も許せ」と言うのは、本質を全く無視している。

 

 LGBT」を取り上げる報道は、こうした傾向を助長させることにもなりかねません。朝日新聞が「LGBT」を報道する意味があるのでしょうか。むしろ冷静に批判してしかるべきではないかと思います。

 「常識」や「普通であること」を見失っていく社会は「秩序」がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません。私は日本をそうした社会にしたくありません。(終)

 

 「LGBTへの支援の度が過ぎるから、その税金を他の政策に回せ」という主張のための記事なのに、お話の着地は新聞社への批判と、彼女の中の「常識」や「普通」がどうとかいう話で終わる。この文章、本当に売り物なの?というクオリティ。

 この記事を全文読んでもなお、「彼女は税金投入の優先順位の話をしているんです!」と言える人は、マジでちゃんと読んでない。

 明らかに「LGBTを否定することで、常識や普通や秩序が守られるんだ!」って言う主張でしょ、これ。

 

 そして何が常識なのか、何が普通なのか、全くはっきり呈示されていない。

 読み手が推測するしかない結論って、政治に対しての意見としてちゃんちゃらおかしい。

 

 ここからは推測するしかないが、彼女のいう常識や普通とは、「社会が男と女だけで成り立っていて、そこには自分が想像できる範囲のごく小さな秩序があって、同性愛やその他の性的嗜好は存在しててもいいけど、自分自身はその内状を無視できる環境にあること」じゃないかなと思う。

 (あ、そして彼女にとっては、朝日新聞が潰れることかな?笑)

 

 

 だけど、そんな常識と普通と秩序がある世界は存在しない。目をそらすことは簡単だけど、それをするなら議員をやる資格はない。

 どうぞ、早くお辞めになって、自分の想像する小さな世界の中だけで、誰も傷つけることなく、暮らしてください。

  

 常識や普通というものが、人間を語る上で、いかにくだらないものであるかは、現実をしっかり見つめることが出来る人達には分かること。 

 

 そして常に変わりゆく社会に、合わなくなった古い秩序など、社会のアップデートを妨げる化石でしか無い。

 日々生まれる問題に目をそらさず、何が正しいか、何が間違っているかを吟味し、新しい秩序を作り変えていくことが、社会が死ぬことをふせぐ唯一の方法だよね。

 

 

 

 

<<杉田の記事に対してのネット上の意見について>>

 

「生産性がない人」には、子供のいない異性同士のカップルや、独身、老人、障がい者も当てはまるのから、恐ろしい。

 子供がいない=生産性のない、と杉田は言っているため、言葉としては当てはまるが、実際彼女が言いたいのは、LGBT朝日新聞への批判なので、そこまで深く考えていない気がする。

 だがそう捉えられてもおかしくない文章だし、過大解釈とは言えない。自分で使う言葉が読み手にどう捉えられるか、どんな印象を与えるか、を彼女は自分自身でコントロールできていない。

 

私はゲイだが、税金を払っているため、生産性がある。

 そう言いたくなる気持ちもわかるが、それでは今度、「納税していない=生産性がない=支援する必要がない」という論理が生まれてしまい、子供や生活保護を受けている人が当てはまってしまったり、納税額によって、生産性の強さ(?)が決まってしまうので危険。私もまだ未成年だし。

 生産性で人間をはかること自体が間違い。

 

生産性の読み方が「せいさんせい」ではなく「しょうさ(ざ)んせい(子供を産むこと)」なので問題のない発言である。

 そうやってどうにかして彼女を擁護したいのはわかるが、何年か前のYoutubeの右翼系チャンネル「日いづる国より」に杉田がゲスト出演した際、はっきりと「せいさんせいがない」と発音している。まあ、せいさんせいだろうと、しょうさんせいだろうと、子供を産むかどうかで、支援の必要不必要を決めている時点でアウト。

 

この記事を批判したいのは安倍総理を批判したいだけ。

 そういう人もいるだろうし、そうじゃない人もいる。ただ杉田が所属する党のトップであることだけを取っても彼に全く責任がないとは言えない。組織ってそうゆうもんじゃん。

 

(記事への批判に対して)彼女にも表現の自由がある!彼女の記事も多様性のうちの一つだ。

 もちろん彼女にも表現の自由はあるけど、実際この記事は、悪意のある表現と差別偏見、事実誤認、妄想を含んでいることからして表現とは言わない。これは立派なヘイトスピーチ。批判すべきだし撤回すべき。

一個人の意見です、なんて言えない、だって彼女は国会議員ですし。

 

なぜLGBTだけを特別視しなければならないのか、自らを弱者扱いをしているし、差別の風潮を助長している。

 何を見て特別視だと思ったのかがわからない。

 例えば同性婚は、異性愛者に当たり前に与えられている権利を、同性愛者にも与えてほしい、というだけ。

 きっとこんなこと言う人は、自分たちに当たり前に与えられている権利は視界に入らず、自分以外の人(それも無意識に見下している人)が権利を持とうとしているのを見て、僕も欲しいよ~ずるい、ずるいじょ!って感じかな?これって女性の権利の議論の時にも出てくるけど、はっきり言って駄々を捏ねる子供にしか見えない。

 

 それに、自分たちで差別の風潮を助長しているって、「LGBTお前ら自分たちで差別される原因を作ってるぞ、」ってことでしょ?怖いわ普通に。

 自分たちが差別するのはお前たちが悪いからだ、って、ただの差別主義者じゃん。

 どんな理由があっても差別はしてはいけません、残念。

 

⑦杉田への脅迫や彼女の容姿への侮辱は、ダメでしょ。

 これは事実。どんなに相手がクズでも、こんなことしたら同じクズになっちゃう。

 

勝手にLGBTが生きていくのは、構わないが、俺は生理的に無理。

 自惚れんな、当事者は誰も、お前に生きるための承認を得たいなんて思ってないし、LGBTが生理的に無理なのも結構。でもあなたみたいな人こと、生理的に無理な人の方が多いと思うよ。

 だけどその感情を表に出すな。表に出したら人を傷つけることくらい想像できるようになって。

 

⑨(杉田の記事への各地で行われた抗議運動について)言論には言論で対抗しろ、悦に入っているだけのナルシシスト。気持ちが悪い。暇人だな。

 抗議運動は言論の最大の形だから。言論で対抗してます。

 身一つ暴力なしで、言葉で訴えている姿を気持ち悪いと言えちゃう神経の鈍感さ、やばいと思うよ。そうやって想像力も感受性もないくせに、嫌いだからって批判して論破した気になってるの、悦に入っててナルシシストで気持ち悪いよ。

 黒人の権利も女性の権利も、ああいう勇気のある行動力のある人たちが少しずつ集まって、歴史を変えてきたのに、マジで何言ってんのかわからない。

 

抗議運動にパヨクや野党の宣伝活動を持ち込むな。

 抗議運動で天皇制に関して言っている人がいたってツイート見たけど(ホントかはわからない)、もしあるならそれは違うなと思う。

 ただ野党が、抗議とは別の目的だとしても、関わってくるのは一概に悪いとは言えない。なぜなら政党が関わる、LGBTを支持すると言うことは、社会の共通認識として、LGBTを差別してはいけないということを補強する力になるから。

 

言葉狩りである。全文読まずに切り取りである。マスコミの印象操作である。陰謀である。

 この記事どこを切り取っても、間違ってるけどね。

 「生産性という言葉だけが一人歩きしていて、全部読めば間違ってない」とか言ってる人は、無意識に彼らを差別してるか、LGBTへの知識がないか、全部読んでないか、。だって全文読めば、もっとやばいことたくさん言ってるし。

 確かに生産性という言葉だけがたくさんの人の印象に残って、広まっているけど、実際に「生産性」と言う言葉が、それだけの影響力を持っているということを、杉田は理解もせず、適当に使ったってことが不適切。

 

 陰謀論とかいうのがいかにもって感じだけど、杉田も「コミンテルン夫婦別姓ジェンダーフリーなどで日本の家族を崩壊させようとしている」とか陰謀論、語ってたし、おそろだね。

 

LGBTに対しての悪口をやめると、ハゲやデブ、ブス、ババアなどの悪口もダメってことになるから、やめない。

 保毛尾田保毛男の騒動でも見た発言で、確かその時はテレビがつまらなくなるとか言ってたね。人がその発言によって苦しんでる、嫌がってることよりも、自分の楽しさを優先するの、普通に危険だと思う。

普通に、ハゲ、デブ、ブス、ババアの悪口も、LGBTと同様にやめるべきでしょ。

 このときも「自分はLGBT当事者だけど気にしません~いちいちめんどくさく言いません~」って人いたけど、お前個人がどうとかじゃないし、傷つく人がいるならやめろって話。

 明らかにいじめの助長だし。あなたが気にしなくてすむのは、今現在、受け入れられていて、経済的に自立しているからだろって。

 

自分はゲイだが弱者でも被害者でもない、この杉田の記事には賛成だし、抗議運動はやめてくれ。自分は自分の力で幸せをつかめるし、いま幸せだし、支援も必要ないです!放っておいてください!

 あなたが幸せなのはわかったが、全員があなたみたいな暮らしができているわけじゃないでしょ?なんでそんなこともわからないの。自分は幸せだから、自分には支援は必要ない、だから何?お前が全てじゃねえ。

 あなたのようには、カミングアウトできない、したけど拒絶された、いじめられている、親にも認められていない。そんな人たくさんいる。あなたがいま幸せなのは受け入れてくれている仲間がいて、そして経済的にも自立しているからでしょ。

 カミングアウトしたらアウティングされて自殺した青年、職場で不当な扱いを受けたサラリーマン、あなたは幸せすぎて、そんなの目に入らないのかな。

 あなたが支援が必要ないことはわかったけど、支援を必要としている人の権利まで勝手に放棄するな。

 そしてあなたが今、当たり前に持っている権利は、あなたより前に生きた、世界中のたくさんの勇気のある人たちが、死ぬ気で掴み取った権利だということ、忘れんな。

 

 

 

 

 まだまだあったら追加します。質問や誤字脱字ありましたら、言ってください。

  

 少しでも偏見や差別で苦しむ人が減ることを願う、